日々の生活習慣において一度身についた姿勢や動作というのは、なかなかそれ以前の状態には戻らないものです。もちろん、カラダにとって“好循環”的なものであれば、むしろ大歓迎ですが、どちらかと言えば、“悪循環”的なもののほうが身に付きやすいのが世間一般の相場とされているのではないでしょうか。
いわゆる、それが誰もが一つや二つはもっている「癖」と言われる悪(?)習慣。なにしろ、“なくて七癖”と言われるくらいですからね。
実際、癖というのは個人的な傾向のうちで、どちらかと言えば好ましくないものとして受け取られる例がほとんどです。例えば、爪をかんだり、怠け癖と言われるように……。
振り返ってみると、それらは積極的に身につけようと努力した記憶はないもので、他者から指摘されて初めては気づいたという人も少なくないのではないでしょうか。そう、いつの間にか、誰に指導されたわけでもないにもかかわらず、みずから主体的に身に付けてしまっているのです。
そうしてカラダに染みついた癖は、当然カラダに負担をかけてしまいます。すなわち、筋・筋膜の緊張や癒着を生み出す根源となっているのです。すると、その根源はカラダ全体に歪みを派生させ、そのカラダの歪みはさらに筋膜の状態を悪化させることになっていく……。まさに悪循環なのです。
そして、それは私たちが生きてきた歴史の分、カラダに蓄積されていき、ある日、何らかのきっかけによって不意に、あるいは徐々に痛みや辛さというシグナルを発することになるのです。
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